映画『怪談』

小林淳著『日本映画音楽の巨星たち』(ワイズ出版)を読んでいます。作曲家の早坂文雄、佐藤勝、武満徹等の日本映画音楽に多大に関わった面々の作品と人物像が詳しく書かれている1冊です。

今読んでいる部分は、映画『怪談』(1965年、東宝、小林正樹監督)の音響演出の箇所です。

公開時の日本での評判の内容はあまりよくなかった。小林の情熱、意欲、加えて撮影、美術、音楽・音響、照明、録音の出来栄えに賞賛を贈りつつ、劇映画としては失敗作に近い、という評価が大勢を占めた。「日本映画名作全集」風の出版物からも落とされている事例が目につく。ところが、近年、その評価に変化が訪れている。小林正樹の映画を再評価しようという動きも無縁ではないが、本作品においてはその第一の理由に、武満徹が行なった音楽効果・音響効果があげられている。【「日本映画音楽の巨星たちⅠ」より抜粋】

どなたか映画『怪談』の感想を寄せていただけませんか。

石巻La Strada  情報

明日1月6日(金)夜7時30分から「みちのくひとり吹き 梅津和時 石巻ラ・ストラーダ」 http://www.la-strada.jp/ が開催されます。前売・予約 2500円、当日3000円。

予約・問い合わせ ラ・ストラーダ0225(94)9002まで

http://www.youtube.com/watch?v=lpDfjsQo4PU

初詣に行って来ました。

   

未(ひつじ)と申(さる)の守り本尊である仙台・柳町の大日如来に参拝して来ました。境内の羊を撫で一年の無事をお祈りしました。

仙台の大町・立町・肴町・南町・柳町・荒町の六ヶ町は伊達政宗公に従って、米沢から岩出山、仙台と移って来た町人町で、昔は御譜代町と称した。柳町は初め元柳町の地におかれ寛永の初めころここに移って今柳町と称した。
慶長六年正月政宗公の仙台城下都市計画にあたり町割りに使用した縄の一部をこの地に集めて焼き、灰を埋めた所に城下鎮護のため堂を建て、大日如来を安置したといい伝える。別当を柳生山教楽院と号し、京都醍醐の三寶院に属する当山派の山伏寺で元和の昔から連綿として栄え一朝時ある時は伊達家の間諜を任務とし、平常は教楽院丁と称するのは別当寺の名に因んだもので、別名大日横丁とも称する。
堂は柳町のお大日さんとして昔からひつじ、さる歳生まれの守本尊として市民に親しまれた。
大正八年三月二日南町の大火並びに昭和二十年七月九日の戦災に消失し、久しく仮堂であったが町内の努力によって昭和二十八年七月現在の堂を再建した。
(三原良吉氏による柳町大日堂の縁起) 【仙台リング 仙台の十二支守り本尊より転写】

 

お正月映画

右岸の羊座も3回目のお正月を迎えました。本年もよろしくお願い致します。

今年の抱負は、時間を作って出来るだけ映画館通いをする事と、観ていない日本映画作品を1本でも多く鑑賞して再考をしていくことです。

早速「映画の日」の本日、桜井薬局セントラルホールで『エンディングノート』(2011年、日本、監督 砂田麻美)を鑑賞して来ました。この映画の鑑賞記を寄せて下さっているKATZさんのコメントも合わせてご紹介します。

http://eiga.com/movie/56519/critic/
【こんなお話】
2007年、東京。熱血営業マンとして高度経済成長期に会社を支え駆け抜けた「段取り命」のサラリーマン・砂田知昭は、67歳で40年以上を勤め た会社を退職。その2年後、第二の人生を歩み始めた矢先に、健康診断で胃ガンが発覚する。残される家族のため、そして自身の人生の総括のため、彼 が最期のプロジェクトして課したのは「自らの死の段取り」と、その集大成ともいえる“エンディングノート”の作成で…(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
素晴らしい映画です。ガン告知を受けた父の最後の日までを、娘である監督が撮った作品です。会社命の父は、自身の死についても周到に段取りします。医師の説明を聞く様子もどこか仕事の打ち合わせのよう。映画の前半はユーモラスに描いていますが、どんどん引き込まれていきます。
最後は、赤の他人である砂田知昭さんがまるで身近な人のように感じられて、観ている自分も悲しくなりました。家族を撮りつつも単なるセルフドキュメンタリーに陥ることなく、エンターテインメント(?)に昇華した監督の力量は、今後も注目です。

【羊座のコメント】

ユーモアと温かさを持ち合わせた男性の最期をスッキリと描いてあり、悲しさと言うよりは幸福感に包まれた印象を持ちました。志半ばで人生を終える人、準備のうえ死を迎えられる人、様々な人生の終わり方がありますが、「逝く人」と「おくる人」すべての人が予習もかねて観て欲しい1本です。映画館は想像していたよりも若い世代と家族連れのお客さんが多く、鑑賞後に近親者で考えるきっかけになるといいのでは?と思いました。良い1年のスタートが切れました。

桜井薬局セントラルホール http://www.sakura-centralhall.jp/

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「読まずに死ねるか!」

読まずに死ねるか! (集英社文庫)

2011年も今日で終了です。今年最後の朝刊を読んでいると、コメディアンであり「読まずに死ねるか!」などの著書で知られる内藤陳さんの訃報記事が目に入ってきた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20111230-OHT1T00137.htm

1981年から月刊プレーボーイ誌に連載された「読まずに死ねるか!」は、その後単行本として出版された。この本は内容も充実していますが、何よりも冒険小説やハードボイルド小説の作家とその読者を繋ぐ役割を果たした1冊と言えると思います。自身は「“面白本のオススメ屋”」と言っていたそうですが。

また俳優としても活躍、1979年の日本テレビ系ドラマ『探偵物語』第10話「夜の仮面」に出演した内藤陳さん。松田優作とのシーンはすべてアドリブで撮影。ハードボイルドを体現した二人の演技は今も記憶に残っています。

右岸の羊座は今日から新年3日(火)までお休みです。尚、5日(木)は休まず営業します。

休みの間もブログはほぼ連日投稿すると思います。たぶん。

「こけし時代」第3号 発売

こけし時代三号

コケシとマトリョーシカ『コケーシカKAMAKURA』を営む沼田元氣さんが編集長を務める、旅とこけしと温泉の憩を御届けする写真雑誌『こけし時代』。第3号の特集は『土湯』です。

「伝統こけし最新工人録」も発売中。 http://www.kameimuseum.or.jp/topics/2011/12/post-23.html

 

カメイ美術館(仙台市青葉区五橋1-1-23、022-264-6543)で販売中 です。

 

KATZさんのおすすめ映画5

恋の罪の場面カット

恋の罪(2011年、日本、園子温監督)  http://www.koi-tumi.com/index.html

【こんなお話】
大都会の片隅。どしゃぶりの雨が降りしきる中、ラブホテル街の木造アパートで女が無残な死体となって発見された。刑事・和子は謎の猟奇殺人事件を 追ううちに、大学のエリート助教授・美津子と、人気小説家を夫に持つ清楚で献身的な主婦・いずみの驚くべき秘密に触れ、ひきこまれていく。事件の 裏に浮かび上がる真実とは?三人の美しい大人の女達の運命が交錯する…
(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
園子温ワールド全開です。園子温監督は『時効警察』のような職人仕事より、やはり、スクリーンがいいですね。それに応える女優陣がみんな素晴らしい!体当たりの演技です。(特に富樫真さんの演技がいいです)実際の事件にインスパイアされたのでしょうが、文学部助教授という設定は効果的です。かつて「ジーパンを履いた朔太郎」と呼ばれた園子温監督だけに、「コトバ」に対する感覚が繊細で、深いところまで突き詰めていると感じられました。また、3人の女性の対比が考えさせられます。

http://www.dongyu.co.jp/profile/ShionSono/

【羊座コメント】

羊座の常連の方たちの間でも東電OL事件は関心がとても高く、会話の中に度々登場する話題です。園子温監督の世界観でどのように描かれているのか、お正月に観てこようと思います。

KATZさんのおすすめ映画4

ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~

ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~(2010年、ドイツ、フィリップ・シュテルツル監督)

【こんなお話】
天才と呼ばれた文豪・ゲーテ。若き日、詩人になることを夢見ながらも才能が認められず、田舎町の裁判所で働いていた彼は、美しいシャルロッテに恋 をした。彼の文才の最初の発見者であり、くすぶっていた彼を力づけてくれる聡明なシャルロッテに、ゲーテはそのすべてを捧げ、共に生きられないな ら死をもと思いつめるほど惹かれていった。しかし、彼女には父親が決めた結婚話が進んでいて―(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
ボーイ・ミーツ・ガールの物語としても、ヨーロッパの時代物としても、正統派の映画に仕上がっています。奇をてらわず丁寧な映画作りで、エンドロールが終わるまで楽しめました。
ストーリー展開はオーソドックスですが、文豪ゲーテの若かりし日を知り勉強になりました。
かつで観た「愛を読むひと」は、ドイツが舞台でありながら、そして、言葉が重要な要素でありながら英語で作られていてシラけてしまいましたが、この映画は、ドイツ語圏の役者を使い、ちゃんとドイツ語で作られています。監督は「アイガー北壁」のフィリップ・シュテルツェル。

チネ・ラヴィータで上映中  http://www.forum-movie.net/sendai/film/index.html