KATZさんのおすすめ映画7

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年、アメリカ映画、129分、スティーブン・ダルドリー監督)

http://wwws.warnerbros.co.jp/extremelyloudandincrediblyclose/index.html#/home

【こんなお話】
9.11の同時多発テロで、大切な父を失くした少年オスカー。父の突然の死を受け入れられないオスカーは、ある日、父の部屋のクローゼットで見たことのない一本の鍵を見つける。『この鍵は父が
残したメッセージかもしれない』…そう考えたオスカーは、鍵の謎を探しに、広いニューヨークの街へと飛び出した―(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
奇妙なタイトルのこの映画。その由来を考えるいとまもない程に、物語はどんどん進んでいきます。9.11で父を失った少年は、生前の父に導かれてやっていたように、偶然見つけた鍵をめぐってニューヨーク中を冒険していきます。まるで、鍵の謎が解ければ、父の死を受容できると信じているみたいに。愛する人を失った悲しみからどのように立ち直っていくのか、また、少年を取り巻く人々との結びつきについて、是非、劇場でご確認ください。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の画像4

映画鑑賞記

2月に入って、マイク・リー監督の『家族の庭』とジル・パケ=プレネール監督の『サラの鍵』2本の映画を鑑賞してきました。

家族の庭

マイク・リー監督の作品は、脚本が無く長い時間をかけたリハーサルとそこから生まれる即興が作品の核になっていくという特殊な作り方で知られています。「その役の人生を生きて欲しい」という監督の要望を受けた俳優陣が素晴らしい役割を果たしている作品が多い事が魅力です。今回の『家族の庭』も同様に名優たちの個性が隅々まで発揮されている大人が観るに耐えうる映画でした。「どうやったら自分の人生と折り合いを付けて生きて行けるのか」が作品の底に流れるテーマの様に思いました。

サラの鍵

もう1本『サラの鍵』は、事前に何も情報を入れないで鑑賞したので冒頭の部分では以前に観た『戦場のピアニスト』や『ライフイズビューティフル』などユダヤ人収容所での人間模様がテーマになっている作品かな。と感じましたが今回は違いました。過酷な少女期を過ごした主人公の人生が少しずつ明らかになるに連れて、懸命に生きた女性の足取りが切なく胸にしみました。と同時に希望も感じられる素晴らしい作品です。祖父母の世代に起こった歴史を37歳の監督が作り上げています。お勧めです。

女優 淡島千景さん死去

昨日、女優 淡島千景さん死去のニュースを耳にしました。

樋口一葉の短編小説を原作にした映画『にごりえ』(1953年、今井正監督、日本)にも出演。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AB%E3%81%94%E3%82%8A%E3%81%88_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

必見の名作です。皆さんご覧下さい。羊座に映画『にごりえ』のDVDあります。

KATZさんのおすすめ映画6

サラの鍵

サラの鍵(2010年、フランス、111分、ジル・パケ=ブレネール監督)

http://www.sara.gaga.ne.jp/
【こんなお話】
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、ある取材で衝撃な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受け、住んでいるアパートにはかつて、パ リのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたという。さらにその一家の長女、10歳のサラは収容所から逃亡してい た。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。次々と明かされる秘密が、ジュリアの人生を変えていく…(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
1942年パリのユダヤ人一斉検挙と、それを取材・調査していく2009年のジャーナリストの物語。
2つの時代を見事に交錯させながら、ミステリーを読み進めるかのように、映画は進んでいきます。壮絶な事実が語られます。67年前の出来事なので関係する人々は亡くなっていたりします。
「亡くなる」というより、人生という舞台から立ち去った、という印象です。そしてその人生は、決して自分一人のものではないとおだやかに訴えかけているみたいです。映画のラストに、希望が感じられました。

女優・三崎千恵子さん死去

映画『男はつらいよ』シリーズのおばちゃん役の(このシリーズ全作品に出演)女優・三崎千恵子さんが13日死去した。ムーランルージュ新宿座での活動の後、1954年新藤兼人監督作品『どぶ』で映画デビュー。日本の名脇役として活躍した。

http://eiga.com/movie/38195/

石巻発・ドキュメンタリー映画 

石巻市門脇小学校の児童たちに重点をあてた青池憲司監督のドキュメンタリー映画が、ついに8月公開予定です。撮影の様子が昨日2月7日(火)河北新報・朝刊にて紹介されました。

青池監督は「震災を次の世代に伝える役割を担う子どもたちが、あの日から1年間どう過ごしたのかを残したい」とコメント。

今年8月の本編公開を前に、昨年10月からは予告編『わたしはここにいます〜石巻・門脇小学校・夏』を各地で上映。右岸の羊座でも昨年11月に青池監督作品・阪神大震災映画の上映会とあわせて予告編も上映しました。

そして予告編に続く証言篇『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば』が完成。今年2月中旬からは証言篇の上映会も始まっています。

http://www.miyagireport.org/2012/01/dvd2311-1134.html

KATZさんの映画鑑賞記

2011年の映画総括がキネマ旬報等で発表されていますが、羊座ではKATZさんの映画鑑賞記を発表します。

2011年劇場公開、映画祭、各種上映会で鑑賞した約430本の中から、邦画、洋画、ドキュメンタリーからアニメまで取り混ぜて、独断と偏見で、BEST30を選びました。(テレビ上映等は除きます)
偏りがあるのはご容赦。選ばれなかった作品にも良い映画はたくさんあります!

1 未来を生きる君たちへ
2 君を想って海をゆく
3 チェルノブイリ・ハート
4 大津波のあとに
5 フード・インク
6 442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍
7 キッズ・オールライト
8 エンディングノート
9 ミスター・ノーバディ
10 マルドゥック・スクランブル/圧縮
11 3D 攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY
12 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
13 ブラック・スワン
14 ペーパーバード 幸せは翼にのって
15 アルマジロ
16 イラン式料理本
17 ありあまるごちそう
18 インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実
19 忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~
20 すぐそばにいたTOMODACHI
21 うさぎドロップ
22 アトムの足音が聞こえる
23 180°SOUTH
24 奇跡
25 アレクセイと泉
26 小三治
27 東日本大震災 教訓を次世代へ
28 ただいま それぞれの居場所
29 うまれる
30 YOYOCHU SEXと代々木忠の世界

【KATZさんのコメント】
1位と2位はどちらにするか迷いました。
「未来を生きる君たちへ」は、第83回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品です。原題は、「HAEVNEN/IN A BETTER WORLD」。
「君を想って海をゆく」は恋人を想ってロンドンに行こうとするクルド人の物語。原題の「WELCOME」が意外なところに使われていて皮肉がきいています。
7位の「キッズ・オールライト」は、その物語の視座が映画史の中で特筆されるべき
秀作です。
19位の「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~」は、完全に個人的趣味です。
25位の「アレクセイと泉」は旧作ですが、やはり素晴らしいです。

本日公開

J・エドガー(2011年、アメリカ、138分、クリント・イーストウッド監督)

http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover/index.html#/home

だれよりも恐れられ、だれよりも崇められた男。

1924年、FBI初代長官に任命され、他界するまで約50年の間その地位に在任したJ・エドガー。彼は強力な権力を手にし、国さえも動かしていた。50年間に入れ替わった大統領は8人にのぼり、その誰もが彼を恐れた。FBIを犯罪撲滅のための巨大組織へと発展させたJ・エドガーだが、その一方で彼には常に黒い疑惑やスキャンダラスな噂がつきまとう。国家を守るという信念のもと、彼が行った“正義”とは…?(TBCみやぎ映画情報より転写)

イーストウッド監督の新作が本日1月28日より公開になります。レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、ジュディー・ディンチ等の俳優陣に脚本は『ミルク』のD・L・ブラック。

キネマ旬報(No.1603 2月上旬特別号)のREVIEW鑑賞ガイドにて、映画評論家でサスペンス映画論を研究テーマにしている三浦哲哉氏は5つ星を付けて下記の様に記しています。一部抜粋します。

【サスペンス構成における禁じ手「偽のフラッシュ・バック」。その技法が元FBI長官の「偽の回顧録」において見事な効果を発揮する。】

仙台での公開も待ち遠しいです。

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