KATZさんのおすすめ映画3

光のほうへ

「光のほうへ」(2010年、114分、デンマーク、トマス・ヴィンターベア監督)

【こんなお話】
デンマークのコペンハーゲン。10代のころに幼い弟を亡くし、心に深い傷を負ったまま大人になった兄弟。アルコール依存症の母のもとで悲惨な子供 時代をすごし、人を愛するすべも愛されるすべも知らずに育った彼らは、互いにかかわることなく別々の人生を送っていた。しかし、母の葬儀をきっか けに二人は再会する。再び心を通わせようとする二人だったが…
(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
デンマーク映画です。(事前に情報は入れないように映画を観るので、舞台がデンマークだと判るのに時間が掛かりました。)トラウマを抱えたまま大人になった、社会の底辺で生きる兄弟の物語です。寂寥とした北欧の風景のように、虚しさとやるせなさがを映画全体を包み込んでいます。
高福祉国家と言えども、抱える闇があるのだなと感じました。

桜井薬局セントラルホールで上映中 http://www.sakura-centralhall.jp/

KATZさんのおすすめ映画2

あしたのパスタはアルデンテ(2010年、イタリア、113分、フェルザン・オズペテク監督)

http://www.cetera.co.jp/aldente/

【こんなお話】
トンマーゾはローマに住む作家志望の青年。実家は南イタリアにある老舗パスタ会社。兄のアントニオが新社長就任となり、共同経営者一族の晩餐会が 開かれる。帰郷したトンマーゾはそこで家族に言えない3つの秘密を告白すべく、兄アントニオに予告する。経営理学部と偽り文学部を卒業、2つめは 家業を継がずに小説家になること、そして最大の秘密は、ゲイであること。ディナーの席で、トンマーゾが告白しようとした矢先、アントニオが機先を 制して告白してしまった。「僕はゲイです」と!
(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
イタリア製のコメディ・ドラマです。しかし、コメディと侮ることなかれ。
登場人物のバックグラウンドを上手に描き、それらが織りなす人情味・苦悩・喜劇・せつなさ、などなど、奥深く味わい深いドラマに仕上がっています。音楽の使い方もうまいです。映画を観終わった後には、きっと、心豊かな楽しい気持ちに包まれることでしょう。監督はトルコ出身で、自身もゲイであることをカミングアウトしているそうです。

本日は「映画の日」

1896年神戸市において日本で初めて映画が公開されたのを記念して、1956年に日本映画連合会の総会で12月1日を映画の日にすること制定したそうです。今日は映画の記念日です。何か観ましたか。

映画の日にあわせて今日はKATZさんのお勧め映画をご紹介します。以前にも羊座ブログに山形国際ドキュメンタリー映画祭の作品の感想を寄せて下さりましたが、今後も時々KATZさんの鑑賞遍歴を伺おうと思っています。

  【作品】  コンテイジョン(2011年・アメリカ・スティーブン・ソダーバーグ監督)

現在 MOVIX仙台で公開中 http://www.movix.co.jp/app/title/T0010856.html

【こんなお話】
ある日突然、謎のウィルス感染が発生する。米国疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が事態の収拾に努めるも、ワクチンの開発は困 難をきわめ、正体不明の新型ウィルスは全世界に広がっていった。その恐怖はウィルスよりも早く感染し、人々はパニックに陥り、社会は崩壊してい く。国家が、医師が、そして愛する者を守ろうとするごく普通の人々が、最後に選んだ結論とは…
(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
スティーヴン・ソダーバーグ監督です。パンデミック映画(というジャンルがあれば)
としては白眉です。過剰なアクションに頼ることなく、逆にウェットなヒューマンドラマに
堕することもなく、絶妙な距離感で淡々と、(たぶん)科学的に正確に物語を進めて
いきます。そこが恐怖感を倍増させています。
キャストが豪華なのですが、皆、スターのオーラを消し去って演技しており、
そこが、絵空事ではない、現実にありうる物語に見えてきて恐ろしくなります。
ウィルスがあってもワクチンが出来て、病気を治してくれるだろう、と思いがちですが、
ワクチンを正しく使用しない(できない)ことによって、ウィルスが多耐性を獲得し、
最悪の事態にもなりうる、と聞いたことがあります。映画を見ながら、ワクチン開発の
スピード勝負と、もしウィルスが耐性を獲得したら、、、と考えてしまい、怖くなってきました。
監督は撮影畑の人なので、ひとつひとつのカットがキマっています。
多用される広角レンズでの絵が効果的です。
物語のラストも思わず唸りました。

【羊座の一言】

ソダーバーグ監督作品は好きな方で劇場に足を運んで見ているものが結構あります。「エリン・ブロコビッチ」のジュリア・ロバーツや、「トラフィック」「チェ28歳の革命」等のベニチオ・デルトロなどソダーバーグ監督との仕事から新境地を開いている俳優も多数いるのではないかと思っています。

映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバンショー〜感度サイコー!!!〜』

http://www.nanisari.jp/  (監督:鈴木剛、2011年、114分)

忌野清志郎が、仲間たちと大阪城ホールで敢行してきたライブ・レビュー“ナニワ・サリバン・ショー”。そのステージ模様を捉えた映像と清志郎と縁深かった友人たちが出演したドラマを融合させた、ファンならば必見のロックンロール・ムービー。

映画『家族の庭』

イギリスのマイク・リー監督の最新作『家族の庭』が公開されます。仙台は来年公開の様です。

ロンドン郊外で充実した生活を送る初老の夫婦、トムとジェリー。季節の移り変わりと、心象風景をシンクロさせた人間ドラマが興味深いです。

マイク・リー監督作品は、ヒーローでも悪役でも無い普通に暮らす人がテーマであり、心情を静かに描いているところが好きです。

http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFCN0036690/index.html

家族の庭

青池監督作品上映会2

12日(土)に行われた映画『阪神大震災 再生の日々を生きる』上映会終了しました。当初予定していなかった青池監督も石巻から再び登場。上映後に語らいました。時系列にそっての2時間36分、神戸市長田区野田北部鷹取地区の「野田北部まちづくり協議会」の活動を中心にその歳月を追ったドキュメンタリー作品でした。震災前から住環境の改善に取り組んでいたまちづくり協議会は、震災後に復興対策本部を立ち上げ、住民と専門家、行政がじっくりと議論を重ね、生活の再建とコミュミティの再生を試行錯誤しながら作り上げて行く姿が丁寧に映されていました。上映会には今回の震災で多大な被害を受けた地域の方も参加していたので、上映後に感想をたずねると「今の自分たちと全く同じ状況。これからの生活に重要な話しばかりだった。」と感慨深げでした。

地域をつくるとは?コミュニティ再生とは?それに伴う住民の意識は?など今後の自分たちにヒントをあたえてくれる映画の内容だった様に思います。地域再生には住民自身が主体となって前に進む事と根気が必要で、想像以上の時間がかかるという事もあらためて感じさせられました。

「この震災は百年に一度の不幸だが、それは、わたしたち自身がまちづくりをする、百年に一度のチャンスでもある。」―阪神大震災・被災地住民の言葉。

http://www.h5.dion.ne.jp/~vhanshin/column.html

監督の鷹取の人びとへ向ける暖かい眼差しが感じられる作品でした。上映する事が出来てとても嬉しく思っています。

 

 

 

映画『この広い空のどこかに』

桜井薬局セントラルホールで「日本映画黄金期を支えた名優たち」の上映会が11月6日(日)〜開催されています。昨日は映画『この広い空のどこかに』(1954年)を鑑賞してきました。

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18181/story.html

デビュー間もない小林正樹監督と楠田芳子、松山善三脚本の松竹大船調の情景豊かな作品でした。

大船調とは「人間の善意っていうようなもの、その讃歌だったんじゃないか。」と大庭秀雄監督はインタビューで当時を振り返っています。

http://www.dgj.or.jp/my_cineast_life/article/000211.html

 

 

 

あがた森魚さん出演映画

あがた森魚さん出演の映画『しあわせのパン』が来年1月に公開されます。

http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/index.html

只今放送中の土曜ドラマ『妖怪人間ベム』でも独特の雰囲気をかもし出しているあがたさん。

より一層の活躍期待しています。

主題歌の「ひとつだけ」は矢野顕子with忌野清志郎のお二人が担当しています。

青池監督作品上映会報告

5日行われた上映会は、神戸映画資料館館長である安井喜雄さんの阪神大震災直後の街の様子を撮影した映像「住吉から三宮へ」の上映から初めました。街の被害の甚大さが刻銘に表された映像で凄まじさが伝わって、ふと自分たちの過ごした3月の生活と重なり記憶がよみがえって来ました。記憶のための連作「野田北部・鷹取の人びと」証言篇に登場した野田北部の住民の話に、人間のたくましさを感じました。自分たちでは気が付いていなくとも非常事態になると人間は強さを見せるのだろうと、またその反面に弱さも併せ持っているのが自然の姿なのではないかと。

復興への道のりは長いですが、一歩ずつ前に進む事の重要さを再確認出来た様に思います。