映画鑑賞記

2月に入って、マイク・リー監督の『家族の庭』とジル・パケ=プレネール監督の『サラの鍵』2本の映画を鑑賞してきました。

家族の庭

マイク・リー監督の作品は、脚本が無く長い時間をかけたリハーサルとそこから生まれる即興が作品の核になっていくという特殊な作り方で知られています。「その役の人生を生きて欲しい」という監督の要望を受けた俳優陣が素晴らしい役割を果たしている作品が多い事が魅力です。今回の『家族の庭』も同様に名優たちの個性が隅々まで発揮されている大人が観るに耐えうる映画でした。「どうやったら自分の人生と折り合いを付けて生きて行けるのか」が作品の底に流れるテーマの様に思いました。

サラの鍵

もう1本『サラの鍵』は、事前に何も情報を入れないで鑑賞したので冒頭の部分では以前に観た『戦場のピアニスト』や『ライフイズビューティフル』などユダヤ人収容所での人間模様がテーマになっている作品かな。と感じましたが今回は違いました。過酷な少女期を過ごした主人公の人生が少しずつ明らかになるに連れて、懸命に生きた女性の足取りが切なく胸にしみました。と同時に希望も感じられる素晴らしい作品です。祖父母の世代に起こった歴史を37歳の監督が作り上げています。お勧めです。

女優 淡島千景さん死去

昨日、女優 淡島千景さん死去のニュースを耳にしました。

樋口一葉の短編小説を原作にした映画『にごりえ』(1953年、今井正監督、日本)にも出演。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AB%E3%81%94%E3%82%8A%E3%81%88_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

必見の名作です。皆さんご覧下さい。羊座に映画『にごりえ』のDVDあります。

KATZさんのおすすめ映画6

サラの鍵

サラの鍵(2010年、フランス、111分、ジル・パケ=ブレネール監督)

http://www.sara.gaga.ne.jp/
【こんなお話】
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、ある取材で衝撃な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受け、住んでいるアパートにはかつて、パ リのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたという。さらにその一家の長女、10歳のサラは収容所から逃亡してい た。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。次々と明かされる秘密が、ジュリアの人生を変えていく…(TBCみやぎ映画情報より転載)

【KATZの独断と偏見】
1942年パリのユダヤ人一斉検挙と、それを取材・調査していく2009年のジャーナリストの物語。
2つの時代を見事に交錯させながら、ミステリーを読み進めるかのように、映画は進んでいきます。壮絶な事実が語られます。67年前の出来事なので関係する人々は亡くなっていたりします。
「亡くなる」というより、人生という舞台から立ち去った、という印象です。そしてその人生は、決して自分一人のものではないとおだやかに訴えかけているみたいです。映画のラストに、希望が感じられました。

女優・三崎千恵子さん死去

映画『男はつらいよ』シリーズのおばちゃん役の(このシリーズ全作品に出演)女優・三崎千恵子さんが13日死去した。ムーランルージュ新宿座での活動の後、1954年新藤兼人監督作品『どぶ』で映画デビュー。日本の名脇役として活躍した。

http://eiga.com/movie/38195/

珈琲の旅 訪問地5

珈琲の旅も岩手県に入りました。岩手は喫茶店の宝庫です。ネットで探してもあるわ、あるわ。それだけ地元に根付いたコーヒーの味があるはずです。様々なお店を探してみましたが、行き着いたお店が今回の訪問地です。

岩手県奥州市水沢「日本珈琲社・夢の追想ブレンド」です。名前が気に入って選びました。

(羊座の常連だったSさんも水沢にお引越ししたのでお家の近所かな?と思って選んでみました)

ぜひご賞味下さい。

http://www.cafejpn.co.jp/

↑ホームページ内の「笑う看板犬メリーさんのつぶやき」も見てね。笑う看板犬メリーさんのつぶやき

 

石巻発・ドキュメンタリー映画 

石巻市門脇小学校の児童たちに重点をあてた青池憲司監督のドキュメンタリー映画が、ついに8月公開予定です。撮影の様子が昨日2月7日(火)河北新報・朝刊にて紹介されました。

青池監督は「震災を次の世代に伝える役割を担う子どもたちが、あの日から1年間どう過ごしたのかを残したい」とコメント。

今年8月の本編公開を前に、昨年10月からは予告編『わたしはここにいます〜石巻・門脇小学校・夏』を各地で上映。右岸の羊座でも昨年11月に青池監督作品・阪神大震災映画の上映会とあわせて予告編も上映しました。

そして予告編に続く証言篇『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば』が完成。今年2月中旬からは証言篇の上映会も始まっています。

http://www.miyagireport.org/2012/01/dvd2311-1134.html