「裸の島」「鬼婆」「午後の遺言状」など、数々の名作を残した映画監督・脚本家で文化勲章受章者の新藤兼人(しんどうかねと)さんが、29日午前9時24分、東京都港区赤坂の自宅で老衰のため亡くなった。100歳だった。
<新藤兼人監督を悼む>
▼監督作「生きたい」に主演した俳優三国連太郎さんの話 ものづくりに対する映画人としての姿勢をかねがね尊敬していました。最長老の監督として、最後の最後まで現場で闘い、最後にまた「一枚のハガキ」という素晴らしい映画を撮影したのはお見事でした。亡くなったのは、とても残念です。
▼映画評論家の佐藤忠男さんの話 先日、100歳の誕生パーティーでお会いし、だいぶ弱っている様子だったので心配していた。代表作といえば「裸の島」だが、最後の作品となった「一枚のハガキ」が何より素晴らしかった。100歳を目前にして、これだけの映画を撮ったことは驚くべきこと。死の直前まで最高の仕事を続け、次の世代に残した。低予算のため華やかな作品はないが、半世紀以上にもわたり、独立プロで作りたい作品だけを作り続けた人は、世界でも類がない。そういう意味では、映画作家として幸せな人生だったと思う。どうぞゆっくりお休みください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E8%97%A4%E5%85%BC%E4%BA%BA
経歴を拝見しても1933年(昭和8年)に映画を志し、1935年(昭和10年)現像部でフィルム乾燥の雑役から映画キャリアをスタート。80年の時が経過しようとしています。