2015年5月23日(土) 13:30~(13:00開場)
宮城野区文化センター・パトナホール
仙台市宮城野区五輪2-12-70 ℡022-257-1213
JR仙石線陸前原ノ町駅下車徒歩1分、駐車台数:90台
仙台市営バス(仙台駅前⑱㉜㉟㊱のりば)
宮城交通(仙台駅前㉞のりば)宮城野区役所前下車徒歩3分
昭和18年、第二次大戦下の敗北色濃くなった世相の中、映画『無法松の一生』は公開されました。明治時代の北九州・小倉を舞台に繰り広げられる人力車夫・冨島松五郎の生き様と、陸軍大尉の未亡人とその息子の人間的な触れ合い、そして未亡人への秘めた思慕の情がみずみずしく描かれた名作です。国家が戦争のため国民に「献身」というものを強制していた状況下に、映画の主人公・松五郎は、誰に命じられたわけでもなく、自らの意志で力弱く清楚な愛する者のために終生貫いた「献身」の心。それこそが真実の人間愛というものではないかと、この映画は主張しています。しかし作品は、内務省の検閲によって大幅にカット、そして戦後アメリカの占領軍の検閲により再びカット、2度の検閲で18分余が永遠に失われました。
この映画『無法松の一生』を使った完全復元パフォーマンス公演とは、映画・朗読・ビデオ映像・音楽・歌などを映画評論家・白井佳夫氏が講演しながらつないでいく、まったく新しい形式のパフォーマンス公演です。そこから戦争・検閲・学徒出陣・原爆投下・敗戦・戦後責任の問題といったもろもろのテーマが、リアルにユニークな形で浮び上がってくる、類をみない約3時間の公演です。1987年から始まったこの公演は、これまで全国各地で75回以上、ドイツでの上演も行われました。「日本がまた静かなファシズムに侵されはじめているようだから、戦争中に抒情的な反戦の意図を込めて作られた『無法松の一生』についての公演は大事だ」と、白井氏は戦後70年、仙台公演に向け強い意気込みを示しています。
【公演内容】
■映画『無法松の一生』上映
(1943年/80分/大映/出演:阪東妻三郎、園井恵子、長門裕之/稲垣浩監督/伊丹万作脚本)
■講演:白井佳夫 ■俳優によるカット場面のシナリオ朗読■関係者のビデオによる証言
■伊丹万作の著作「戦争責任者の問題」と「きけ わだつみのこえ」抜粋朗読
■カット場面にあった小学校唱歌「青葉の笛」合唱
企画・構成・演出・出演 映画評論家 白井佳夫
出演 女優 林 陽子(劇団 展望 主宰)白井真木(プロダクション・タンク)
ピアニスト 霜浦百合子
白井佳夫 1932年生まれ。映画評論家。早大卒業と同時に「キネマ旬報」に入社、編集部員10年を経て編集長となる。映画評論に文化論的視点を取り入れ、また若手批評家を育て、論争を起し、映画ジャーナルを活性化する。日本映画・外国映画の双方に広く目配りするとともに、特に白黒時代の邦画の評価に力を入れる。現在は、東武カルチャスクールで「白井佳夫の東京映画村」を開講、阿佐ヶ谷市民講座では呼びかけ人のひとりとして「講演と朗読と映像によるトークショー」などを開催している。1987年からの映画「無法松の一生」を使ったパフォーマンス公演は現在全国巡演中。著書に「白井佳夫の映画の本」「二十四時間の映画」「日本映画黄金伝説」「黒白映像・日本映画礼賛」「対談集 銀幕の大スタアたちの微笑」など多数。2004年文化庁映画賞受賞。
チケット前売 1800円 当日 2000円
(前売チケット取扱い)桜井薬局セントラルホール、 火星の庭、右岸の羊座、
書本&cafeマゼラン、わでぃはるふぁ、ギャラリーターンアラウンド
主催:映画「無法松の一生」切り裂かれた十八分完全復元仙台公演実行委員会
代表 辻隆一
助成:(公財)仙台市市民文化事業団、みんみんpresentsまち・むすび助成金
問い合わせ・予約:070-5326-1974 大越 uganhits@gmail.com